2015年度「日創研経営研究会 本部会長方針」

2015年度

2015年度「日創研経営研究会 本部会長方針」

原点回帰・中小企業の活性化
―ありがとう経営・80%黒字企業経営の実践―消費増税後の消費動向に大きな落ち込みはなく、アベノミクスが徐々に効果を発揮している様子です。
また、アメリカ経済も堅調で、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は金利の引き上げ論を封じ、株高も事実上容認し、景気や雇用の重視を鮮明にしています。
アメリカは日本経済に大きな影響を与えるだけに、こうした動向は日本にとってプラスに働くでしょう。
ただ、東京の中小企業は景気が良いようですが、各地方では思ったようにアベノミクスは進んでおらず、景気回復にはかなりの時間がかかるものと思われます。
特に人手不足が顕著になり、仕事はあるが人手がなくて受注できないという嘆きの声も聞こえてきます。
とくに法人税率を引き下げるという政府方針は、我々企業側にとってはプラスに働きますが、その穴埋めに赤字企業への課税措置等の方針には大反対です。
大企業は過去最高益を記録し、2014年度の3月期決算は絶好調でしたが、それに比較して中小企業の苦難はまだまだ続くものと思われます。
それを証明するように、中小企業数の減少も大きな問題です。
日本創造教育研究所を設立準備の折(1986年度)は535.1万社あった我が国の企業数も、2001年までには433.8万社にまで減少し、2009年は421万社にまで減りました。
そして、2012年は386万社にまで減少し続けています。
特に企業規模が小さな会社の減少が目立ち、減少は加速度的に多くなっていくものと思われます。
さらに今後は二極化が進み、①人財育成をした会社②強い商品③高い技術④より良いサービスを提供出来ている会社しか生き残れず、環境変化についていけない会社は、電話帳から消えていくでしょう。今や中小企業は大きな危機を迎えているのです。
原因の第一は、経営者の考え方にあると思います。
企業はトップの器以上にはならず「飯が食えればそれでよい」という考えや価値観が、廃業や破綻を招いている事を考えれば、経営者の目覚めの促進が第一になるものと思われます。
日創研経営研究会には、多くの方々が可能思考研修で目覚められ、使命感に燃えた経営をなされていますが、2015年は未受講者も含めた特別基礎コース(SA)で、再度、企業経営の原点に戻りたく思います。7月後半を目途に、東京センターを会場にして、本部役員や本部組織活性化委員会にアシスタントをお願いしてご支援いただきながら、日本創造教育研究所設立の意図を込めた原点に戻りたく思います。
第二の要因は人財です。企業経営は、それに関わるすべての人の活動が「基」となって成り立っています。
よって企業価値を真に高めるには、社長はじめ、企業で働くすべての人の成長が不可欠です。
そのためには、各企業が全社的に研修・訓練・経営改善に取り組むことが、必要不可欠となります。
しかしながら、昨今の経営環境においては、人財育成・社員教育への資金を充分に確保することが困難になっています。
中小企業の減少は資金不足によるものです。それだけに、効果的な社員教育が行えず、人的資源が枯渇し企業の更なる成長を妨げる悪循環が各方面で散見されます。
2013年度の日本創造教育研究所の会員企業様のアンケート調査では、業績好転が40%、不変34%、悪化22.5%となっており、人財育成も含め、学び続けることがいかに重要かを示しています。
同じく2013年度の日創研経営研究会・業績アンケートでは、黒字企業が77.6%で、なかなか80%を超えることが出来ません。
2015年度こそ、80%を超えて、次の方針には85%黒字企業経営を掲げたいと思います。また、経営課題は複数回答ですが、一番多いのが人財育成です。
69.1%で圧倒的に多く、2番目が売上獲得の43.3%です。
3番目は顧客満足経営が31.7%、財務体質強化が31.5%となっています。
こうした観点からもさらに課題のクリアに力を尽くしていきたく思います。
そうしたことを鑑み、「原点回帰、中小企業の活性化」の促進を方針に掲げ、サブテーマに「ありがとう経営・80%黒字企業経営の実践」を掲げさせて頂きます。
「黒字企業80%以上」は至難の業です。しかし、各地経営研究会でも、黒字企業の数値目標を設定して頂くなど、それぞれの各地会長のご支援や各会員のご努力によって実現している各地経営研究会も出てきました。
逆に、外部環境の変化に具体的に対応できず、「ありがとう経営・増益経営」には程遠いところもたくさんあり、掛け声だけに終わり、会の運営に追われて、肝心の本部会長方針が浸透していない各地経営研究会も多くあるように感じています。

業績を上げ、働く社員さんの喜びをつくり、物心両面の豊かさを実現すべく、「原点回帰・中小企業の活性化」を目指していきたく思います。
会員増強も4,000名を達成しましたが、企業意識が乏しくなり、生業・家業的に考える会員さんが増えてきたような印象すら感じます。今年も会員増強は継続してまいりますが、公式教材である月刊『理念と経営』や、「13の徳目朝礼」などの浸透も図って参ります。

経営相談で業績向上や資金繰りなどの問題を相談されますが、悪化している企業に共通していることは、

①人財育成を実践していない。
②新市場開拓をしていないだけでなく新商品開発も遅れている。
③社内がギクシャクとしており幹部が育っていない。
④付加価値を高められず価格競争に巻き込まれている。
⑤サービスが低下しているのに手を打てていない。 など、
外部環境の厳しさに社内の方々の意識がついていっていないことです。

何が何でもお客様に「ありがとう」を頂こうという、思想や哲学が社内に欠如していることが大きな原因です。
私は多くの方々から決算報告を頂く立場にあり好調な業績の裏に、身を削るような「ありがとう経営」の実践を痛感します。
やはり、人を育てお客様が喜ぶようなことに熱心な企業でなければ、もはや生き残りは難しい時代だと言えるのです。

日創研経営研究会には好業績の会社がたくさんあります。まさに「ありがとう経営」を実践されている企業であり、社長力・管理力・現場力の三位一体をつくり上げているのです。知恵と工夫をすればいくらでも業績は上がるものと確信しています。
いかに経営の原点に回帰し、初心を忘れずに経営するかが成功の法則なのです。4,000名の会員拡大を実現した現在、次の5,000名の実現のためにも、日創研経営研究会に入会すれば業績が良くなるといわれるべく、最善の努力をするべき時です。

2015年は、公式教材や13の徳目朝礼を各会員の皆さんの社内に本格導入をして頂き、そのことで業績向上に寄与していきたく思います。
姫路経営研究会では、13の徳目朝礼が65.7%導入され、理念と経営・社内勉強会は52.2%活用されています。

方針実現に向けての具体策
①400名規模の特別基礎コース(SA)の開催
②全国大会in京都での13の徳目朝礼全国大会と、社内導入の啓蒙
③全国経営発表大会の開催
④可能思考研修未受講者のPSVまでの修了促進とTT参加促進
⑤会員の増強と各地経営研究会の例会充実
⑥本部レクチャラーの各地経営研究会への派遣
⑦未開催経営研究会での6時間セミナーの開催
⑧「理念と経営・社内勉強会」の導入

●2015年度 本部会長方針
1.400名規模の特別基礎コース(SA)の開催
2.組織活性化委員会の強化とブロック長の育成
3.退会者防止の具体策を実践する
4.全国大会in京都を成功させよう
5.レクチャラーの最大活用と中小企業の事例を学ぶ
6.職場内教育として、「理念と経営・社内勉強会」や「13の徳目朝礼」を社内に導入し、人財育成に努めよう
7.可能思考研修未受講者や基礎コース(SA)で止まっている会員の実践コース(PSV)までの修了と、TTコースへの参加促進
8.会員増強と質の向上(例会出席率70%)

方針1)参加者400名の特別基礎コース(SA)を特別事業として開催し、未受講者の受講促進と再受講の促進
各地の理事役員人事を見ても、理事資格のない方々が委員長をされたりしているところもまだあります。
組織活性化委員会の各ブロック長から定款遵守の方針を伝えても、なかなか守られていない状況です。
そこで400名規模の特別基礎コース(SA)を特別事業として行い、竹村特別研修委員長には運営を、組織活性化委員会にはその募集役を担って頂き、再度、日創研経営研究会の価値観のすり合わせを行います。

方針2)組織活性化委員会の強化とブロック長の育成
日創研経営研究会も4,000名を越す大所帯になりました。先般、東海地区のブロック会議終了後の懇談会に参加しました。
兒玉ブロック長はじめ皆さんが、大変前向きな学びの話を議題に進められましたが、非常に良い雰囲気でした。
組織は大きくなることで結束力が低下したり、機敏な行動が取れなくなり形骸化します。
方針1)でも述べましたが、価値観が乱れ守るべき組織の規範が乱れたりするのです。
再度、日本創造教育研究所がなぜこの日創研経営研究会を設立したのか?その原点に返り、組織を規律あるものにしていくべきであると考えます。
特に、活性化されていない各地経営研究会の支援や、退会者防止の提案等を交えて、各地経営研究会を支援していく位置づけにしていき、言うべきことは意見を述べ、健全な会風づくりに貢献していきます。
そのための組織活性化委員会のブロック長の育成を方針に掲げましたが、着実にブロック長が育ち、本部会長の方針通りに各地経営研究会の運営の支援を行っていきます。

方針3)退会者防止の具体策の実践
日創研経営研究会も4,000名を超えましたが、残念ながら受け容れ側の問題で退会者も増えています。
何が退会者を生み出しているのかの防止策をディスカッションして、退会者ゼロ運動を進めていきます。
入会時のオリエンテーションの実施、入会後のレクチャラーを活用した魅力ある例会運営、入会者の可能思考研修への積極的な参加、入会者の丁寧なフォロー等を含めて、会員増強や質の追求を行いつつ、退会者防止を方針とします。

方針4)全国大会in京都を成功させよう
千葉の全国大会は素晴らしい大会でした。100点満点というと誤解があるかもしれませんが、講師陣がすべてよく感動的でした。
懇談会も日創研経営研究会らしい内容で楽しいひと時でした。
わざわざご多忙なスケジュールの中を駆けつけて下さった方々に対する非礼もなく無事に終了しました。
2015年は全国大会in京都の成功のために参加を促進し、本部としても支援していきます。

方針5)レクチャラーの最大活用と中小企業の事例を学ぶ
日創研経営研究会には優秀な経営をしている仲間が大勢います。
そして、我々はそうした仲間たちにレクチャラーになって頂き、各地経営研究会の支援を行っています。
皆様方におかれましては、安易に有名講師などを呼ぶのではなく、中小企業の身近な成功事例などをもっと真剣に学んで頂きたく思います。
特に可能思考研修をご受講され、共通の価値観をもったレクチャラーの講演を最大限活用するべきです。

方針6)職場内教育として、「理念と経営・社内勉強会」や13の徳目朝礼を社内に導入しよう(導入目標40%)
日本創造教育研究所には、公式教材である月刊『理念と経営』だけではなく、「13の徳目」などのツールもあります。
考え方によっては、こうしたものは日創研経営研究会にとっても大きな会員増強の告知ツールであり、財産であり、「ありがとう経営」の道具です。地域になくてはならない存在として、上手に活用して日創研経営研究会をアピールしていきましょう。
2015年度は、各地経営研究会の45%導入を目標にします。昨年の業績アンケートでは13の徳目導入は35.3%。理念と経営・社内勉強会は36.0%の活用です。この中でも一部幹部だけとか、コピーで短絡的に行っている等、まだまだ本格導入に至っていないところもあります。

方針7)可能思考研修未受講者や基礎コース(SA)で止まっている会員の実践コース(PSV)までの修了と、TTコースへの参加促進
日創研経営研究会の設立の動機は、可能思考研修を受けた方々のフォローアップが第一でした。
単に学んだだけではなく、各地で継続して学ぶ仕組みとして日創研経営研究会を設立したのです。
同じ研修を受けた方々が、同じ理念のもと、価値観を共有しながら学んでいくのが日創研経営研究会です。
特に4,000名の会員増強に伴い、可能思考研修の未受講の方々や、途中で止まっている方々も多くおられることと思います。
素早い実践コース(PSV)までの完了と、TTコースへの参加の促進をお願いします。
各地で活性化されている経営研究会は、計画的なTTコースの派遣などもあり、広い視野に立った活動が行われています。
価値観の共有を計る意味でも、会員の日創研経営研究会に対するモチベーションを高めるためにも、SA研修の再受講や、SA未受講者の可能思考研修受講が必要不可欠かと思います。
特別SA研修は7月後半を企画していますが、今から、未受講会員の参加の促進をお願いします。

方針8)会員増強と質の向上(例会出席率70%)、並びに、新入会員さんのオリエンテーションの実行とコミュニケーションの強化
日創研経営研究会の組織活性化は、究極は会員企業の業績向上にあります。
「あの会に入会すると業績が上がる!」「ためになる!」という評価を得なければ、日創研経営研究会の存在意義はありません。
しかし、現実的に地域の評価が得られず、各地経営研究会内部でも様々な問題を抱え、存続すら危ぶまれている各地経営研究会もあります。
2013年には残念ながら宮崎経営研究会が解散しました。
会員増強と質の向上は永遠のテーマであり、地域を巻き込んだ経営研究会活動が大切だと思います。
この1年、各地経営研究会や、本部役員や、レクチャラーが必死になって会員増強を図ってきました。心から感謝を申し上げますと共に、各地経営研究会の例会出席率を70%にしていけば、さらに全体の底上げは出来ると確信しています。

この2年間の日創研経営研究会の質の向上は目を見張るものがあり、本部会長として心からお礼を申し上げます。
退会者を防止し、全員が可能思考研修を受講し、次の5,000人に向けての準備を着実に行っていきたく思います。

特に、中小企業の活性化は日本創造教育研究所にとっても私自身にとっても大きな使命であり、更なる努力をしていきたく決意しています。

日創研経営研究会
本部会長 田舞 徳太郎

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