2013年度「日創研経営研究会 本部会長方針」

2013年度

「ありがとう経営・増益経営の実践」

~黒字企業80%以上を目指して~

念願の4000名の達成ができました。プロジェクト4000チームのメンバーの皆さま方や、各地会長・事務局長、本部役員、レクチャラーの方々に心よりお礼を申し上げます。

2013年は、ご入会いただいた方々のフォローを含め、新入会員さんのオリエンテーション及びコミュニケーションの強化をお願いしたく思います。例会の出席率のアップや、価値観を共有すべく「可能思考教育」のご受講を含め、組織の充実を計って頂きたいと思います。
入会者のフォローと同時に「鉄は熱いうちに打て」です。丁寧に学びの道に導いて、退会者がないように尽力していくべきだと思います。

日銀の景況情報(四半期)では、大企業はマイナス3からマイナス1となり改善を示していますが、中小企業はマイナス11からマイナス13と大幅に悪くなっています。
また、2011年度の地方税収は、35兆950億円とわずかながら
2年連続で前年度を上回りました。東日本大震災の復興需要が要因であり、GDPは4半期で4.7㌫伸び、IMFの2012年度世界経済見通しでは、2.4㌫の経済成長をする見込みです。成長というより復興需要による
一時的な伸びと言って良いでしょう。
2011年のGDPは、東日本大震災や、円高、デフレなどの影響により475兆円になりました。消費税増税は決まったも同然であり、今後ますます中小企業の受難は続くものと思われます。
とくに2012年7月の中小企業基盤整備機構の中小企業の業績調査では、①業績が好転したが「11.4㌫」しかなく、②変わらないが「49.1㌫」、③業績は悪化しているが「39.5㌫」を示しており、日本経済の回復の兆しは極めて弱いということが分かります。
日本創造教育研究所の会員企業様のアンケート調査では、①業績好転が40㌫、②不変34㌫、③悪化22.5㌫となっており、人財育成も含め、学び続けることが如何に重要かを示しているものと感じています。

さて、2012年度は「黒字企業80%以上」を目指し、「ありがとう経営・増益経営の実践」の大方針を掲げました。それぞれの各地会長のご支援や各会員のご努力に感謝申し上げますが、外部環境の変化に具体的に対応できず、「ありがとう経営・増益経営」には程遠いところもたくさんあります。この点を踏まえ2013年度も、再度この方針を踏襲して、実践して行く決意です。

ありがとう経営とは、お客様から一つでも多くの「ありがとう」を集める経営であり、具体的には、新商品や新技術の開発、サービスの向上を目指すものです。
そのためにも、「ありがとう」が行きかう職場を創り上げ、一人ひとりの人間力・考える力・仕事力・感謝力を高めなければなりません。社長力・管理力・現場力の三位一体を実現して、チームワーク型から、更にスクラム型へ強固な組織に進化していかなければならないのです。
経営相談で業績向上や資金繰りなどの問題を相談されますが、悪化している企業は共通しているところがあります。

①人財育成を実践していない。
②新市場開拓をいないだけでなく新商品開発も遅れている。
③社内がギクシャクとしており幹部が育っていない。
④付加価値を作れず価格競争に巻き込まれている。
⑤サービスが低下しているのに手を打っていないなど、外部環境の厳しさに社内の方々の意識がついていっていないことです。
何が何でもお客様に「ありがとう」を頂こうという思想や哲学が
社内に欠如していることが大きな原因です。
私は多くの方々から決算報告を頂く立場にあり、好調な業績の裏に、
身を削る様な「ありがとう経営」の実践を痛感しますが、やはり、人を育て、お客様が喜ぶような事に熱心な企業でなければ、もはや生き残りは難しい時代だと言えるのです。

例年事例にあげている企業様は、中小企業の特徴である労働集約型の会社でありながら、労働分配率は低く、一人当たりの平均賃金は非常に高いものです。無借金経営であり、納期時間の順守や新商品開発などを含めて「ありがとう経営(従業員満足・顧客満足)」に尽力され、今期も順調にいっています。

また、債務超過だったO社様は、この3年間徹底して「ありがとう経営」を実践され、人財育成や社風の改革に成功して、昨年の全国経営発表大会で表彰されたばかりでなく、2012年の5月決算でも増収増益を果たされています。

理念と経営・社内勉強会や、可能思考研修の導入や、13の徳目朝礼や業務改善にも取り組み、社内をありがとう溢れる会社にするべく努力をされた結果です。

昨年特別研修で講演頂いた今別府産業さんはじめ、不況業種と言われる中で増客されている武蔵境自動車教習所さんや、厳しい外食産業の中にあって、堅実に利益をあげておられるマルブンさんや卜傳さんなど、「ありがとう経営」を実践されている企業は数えきれないくらい存在します。
まさに社長力・管理力・現場力の三位一体をつくり上げ、知恵と工夫をすれば、いくらでも業績は上がるものと確信しています。
いかに「ありがとう経営・増益経営」を実践するかが成功の法則なのです。
4000名の会員拡大を実現した今、全員がありがとう経営・増益経営に向けて努力するべき時だと思います。

「ありがとう経営・増益経営の実践」に向けての具体策
①仙台全国大会での13の徳目朝礼の全国大会と、社内導入
②全国経営発表大会の開催
③SA研修未受講者のPSVまでの修了促進とTT参加促進
④会員の増強と各地経営研究会の例会充実
⑤本部レクチャラーの各地経営研究会への派遣
⑥未開催経営研究会での6時間セミナーの開催
⑦理念と経営・社内勉強会の導入
⑧特別研修の開催

札幌・全国大会での「13の徳目全国大会」は大成功でした。本部会長として、コーチング型朝礼13の徳目の開発者として、こうした朝礼を行うことで「企業は変わる!」と強く確信しました。
2013年は、公式教材や13の徳目を、各会員の皆さんの社内に本格導入をして頂き、そのことで業績向上に寄与していきたく思います。

今後の中小企業の中長期的な問題と課題

  1. 益々、二極化が進み中小企業の廃業が増える
  2. 企業の海外移転による日本国内の空洞化現象
  3. 良い人財をどのように育成して定着させるかが課題
  4. 新商品や用途開発が遅れている
  5. 寡占化が進む中、独自性づくりをどうするかが曖昧である
  6. 生産性をどのように向上させるか
  7. 消費税増税に伴う景気の減速
  8. 価格競争と競争激化で利益が減少する
  9. 自社のコア・コンピタンスをいかに構築し育成するか

上述した経営課題に有効な手を打つために、日本創造教育研究所も色々な教育カリキュラムを開発しています。業績アップ6カ月コースのような即効性は確約出来ませんが、学び続けることで知恵や創造性や思わぬヒントとなるのです。

各地会長は率先して学び、強いリーダーシップを発揮して会員の方々の学びの促進を計ることを熱望します。

2013年度 本部会長方針

  1. 仙台での全国大会を成功させよう
  2. 社内をありがとう溢れる会社にしよう
  3. 社長力・管理力・現場力の三位一体の実践
  4. 職場内教育として、理念と経営・社内勉強会や13の徳目朝礼を社内に導入し、人財育成に努めよう
  5. SA研修未受講の方やSAで止まっている会員のPSVまでの完了と、TTコースへの参加促進
  6. 会員増強と質の向上(例会出席率70%)並びに、新入会員さんのオリエンテーションの実行とコミュニケーションの強化

方針1)仙台での全国大会を成功させよう
3.11の東日本大震災で大きな被害を被った東北ですが、各地会員の皆さま方には、募金活動を含めて色々とサポートを頂きました。そのシンボルとしての仙台の全国大会ですが、是非成功に結び付けていきたいと思います。仙台経営研究会はまだ会員数も少なく、青森や山形がサポートに入りますが、13の徳目朝礼全国大会も含めて、元気の出る大会にして頂きたく、各地会員で支援していこうと思います。

方針2)社内をありがとう溢れる会社にしよう
ありがとう経営の定義を武澤委員長は下記のように定義していますが、機能体組織の共同体化の観点からも重要なポイントです。「ありがとう経営」と簡単に述べていますが、中小企業には必ず出来る経営手法なのです。

  • お客様から「心からありがとう」を言われていること。
  • 上司、部下、会社が、お互いに「心からありがとう」を言いあえていること。
  • 社員さんの定着が良く、組織へのロイヤリティーが高いこと。
  • 絶えずイノベーションをして、商品、サービス、技術のレベルをあげていること。
  • 社長、幹部、現場の人々が三位一体となっていること。
  • 売上がアップし、お客様の数が増え、増益していること。

方針3)社長力・管理力・現場力の三位一体の実践
日本創造教育研究所のアンケートでは、まだまだこの社長力・管理力・現場力の三位一体がなされていません。実に90㌫が「幹部育成の遅れ」を問題視されていました。
「ありがとう経営・増益経営を推進・実践」するためには、社長力・管理力・現場力の三位一体がなされていなければなりません。
私は、社長・幹部塾を開催していますが、社長と幹部が本音で話し合うようになるだけで業績は向上するものです。そして、幹部育成と共に現場の社員育成は緊急の課題です。
経営資源には色々なものがありますが、働く者のモティベーションは最も重要なものであり、社長力・管理力・現場力の三位一体の発揮でモティベーションを高め、この厳しい時代を生き抜いていきましょう。

方針4)職場内教育として、理念と経営・社内勉強会や13の徳目朝礼を社内に導入しよう
日本創造教育研究所には、公式教材である「月刊・理念と経営」だけではなく、「13の徳目」などのツールがあります。考え方によっては、こうしたものは日創研経営研究会にとっても大きな告知ツールであり、財産であり、広報手段であり、会員増強の道具です。地域になくてはならない存在として、上手に活用して経営研究会をアピールしていきましょう。
公式教材の「月刊・理念と経営」は、「理念・戦略委員会」が担当して強く啓蒙普及すると同時に、13の徳目朝礼の実践などは「リーダーシップ委員会」が担当して、具体的に会員企業の社内への導入に取り組んで頂きたく熱望します。
随分普及してまいりましたが、まだまだの印象はぬぐえず、各地会長・事務局長からも啓蒙・普及を続けて頂きたいと思います。
とくに全国大会での13の徳目朝礼は、間違いなく「ありがとう経営・増益経営」に結びつくものと確信しました。各会員の見識に頼るしかありませんが、職場内教育としての位置づけからも、さらに努力をして頂きたく思います。

方針5)SA研修未受講の方やSAで止まっている会員のPSVまでの完了と、TTコースへの参加促進
日創研・経営研究会の設立の動機は、可能思考教育を受けた方々のフォローアップが第一でした。単に学んだだけではなく、各地で継続して学ぶ仕組みとして日創研・経営研究会があるのです。
とくに4000名の会員増強に伴い、可能思考教育の未受講の方々や、途中で止まっている方々も多くおられることと思います。素早いPSVまでの完了と、TTコースへの参加の促進をお願いします。

活性化されている経営研究会は、計画的なTT派遣などもあり、広い視野にたった活動が行われています。価値観の共有を計る意味でも、会員の経営研究会に対するモティベーションをあげるためにも、SA研修の再受講や、SA未受講者の可能思考研修受講が必要不可欠かと思います。日創研・経営研究会の原点「可能思考教育」に戻りましょう。

方針6)会員増強と質の向上(例会出席率70%)、並びに、新入会員さんのオリエンテーションの実行とコミュニケーションの強化
日創研経営研究会の組織の活性化は、究極は会員企業の業績向上にあります。「あの会に入会すると業績があがる!ためになる!」という評価を得なければ、日創研・経営研究会の存在意義はありません。
しかし、現実的に地域の評価が得られず、経営研究会内部にも色々な問題を抱え、存在すら危ぶまれている経営研究会もあります。

「プロジェクト4000」は達成されましたが、会員増強と質の向上は永遠のテーマであり、地域を巻き込んだ経営研究会活動が大切だと思います。
この1年、各地経営研究会や、本部役員や、レクチャラーが必死になって会員増強を計ってきました。心から感謝を申し上げますと共に、各地単会の例会出席率を70%にしていけば、さらに全体の底上げは出来ると確信しています。

また、折角ご入会いただいた方々のフォロー不足で、退会者がでているという現実もあります。各地経営研究会ごとに明確なオリエンテーションを行い、継続的に新入会員さんが慣れるまでのコミュニケーションの徹底をお願いします。

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